自動制御を採用する目的

自動制御 ―
私たちの日常生活の中、様々な所での活躍を目にすることができます。
『自動制御』された空調設備は、ecoや省エネが様々な分野で見直されている現在、建築物の大小問わず一般住宅から超高層ビルに至るまで多くの分野で需要が増しています。
その目的は、『eco、省エネ』はもちろん、『快適環境の保持』、『労働力や経費の節減』等、使用する方々への快適性だけでなく、近未来の環境面や経済面にとっても大きな利益となる将来性の高い技術です。

自動制御の種類

自動制御の種類はいろいろありますが、
空気調和では主に『シーケンス制御』、『フィードバック制御』の2種類が使用されるほか、
まれに『フィードフォーワード制御』が使用される場合があります。

自動制御の種類

シーケンス制御

シーケンス制御とは「あらかじめ定められた順序に従って、制御の各段階を逐次進めていく制御」と定義されています。空調設備における熱源機器などの制御では、冷凍機、冷水ポンプ、冷却水ポンプ、冷却塔の間には一定の運転順序があります。また、ボイラーの燃焼装置の始動時、安全に始動するために各種装置間に一定の運転確認の順序があります。

フィードバック制御

フィードバック制御とは「フィードバックによって制御量の値を目標値と比較し、それらを一致させるように訂正動作を行う制御と定義されています。図-1 に示すようにルームサーモンスタットで室温を検出し、電動弁により蒸気量を制御しますが、制御した結果を目標値と比較して、目標値と結果が一致するまで反復して制御を繰り返す閉ループシステムを構成するので、反省の機能を持つ制御ともいわれています。フィードバック制御は図-3 に示すように、検出部、調節部、操作部のそれぞれの要素から構成されています。

フィードフォワード制御

システムの大半は一般にフィードバック制御ですが、時としてフィードフォワード制御が使用される場合があります。フィードフォワード制御とは「制御系に外乱が入った場合、それが系の出力に影響を及ぼす前に先回りしてその影響を打ち消すために外乱を検出し、必要な訂正動作をとる制御」と定義されています。図-2 に示した寒冷地の予熱コイルの電動弁を制御します。このフィードフォワード制御の場合は、制御した結果を目標値と比較しない、すなわち開ループを構成しているといえます。